ラリー北海道:ヴィッツベースのAP4車両が初登場、全日本ラリーはグラベルで今季初の全クラス成立 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ラリー北海道:ヴィッツベースのAP4車両が初登場、全日本ラリーはグラベルで今季初の全クラス成立

©CUSCO

9月23日~25日にかけて開催されるラリー北海道のエントリーリストが公開となった。APRC(アジア・パシフィックラリー選手権)には21台、全日本ラリー選手権(JRC)には37台が名を連ねている。

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APRCは6戦中3戦を終え、シーズン後半戦となる第4戦としての開催。選手権を大きくリードしているチームMRFは、ガウラブ・ギルとファビアン・クレイムが駆る1.6Lターボ+4WDのシュコダ・ファビアR5が日本初上陸となる。クスコレーシングから今季スバルWRX STIで参戦しているマイケル・ヤング、サンジェイ・タクルも1年ぶりに北海道に戻ってきた。既報のとおり、三菱ミラージュR5での参戦を予定していたヤリ・ケトマーは輸送が間に合わずに惜しくも参戦を断念することとなった。

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そして注目は、クスコレーシングの炭山裕矢だ。今年のAPRCに導入されたAP4車両規定に合致したトヨタ・ヴィッツベースの4WDカー。キャロッセが独自開発した4WDキットを搭載し、エンジンは1.6Lターボという新規定マシンで、アジアカップ覇者がどのようなパフォーマンスを見せるか。また、昨年のアジアカップタイトルを獲得した高山仁、APRCではお馴染みの長谷川智秀、今年から本格的に活動の舞台をAPRCに移した今井聡、デヘラゴダ・ディネシュらがアジアカップにノミネートしている。その他、国際ラリーの実戦を舞台とする世界ラリー実習でおなじみの高山自動車短期大学はVAB型インプレッサを投入予定。日本人ドライバーも多数スポット参戦しており、久々のラリー参戦となる岩下英一の名前もあるなど、見ごたえある戦いが期待される。

一方、全日本ラリーは第7戦としての開催で、各クラスともチャンピオン争いが佳境を迎えている。特に今年はJN6からJN1まですべてのクラスで5台以上のエントリーを集めて成立。なかでも86/BRZの実質ワンメイクとなっているJN2クラス(旧JN4クラス)は、グラベルラリーで初めて成立している。

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JN6クラスは、136.4ポイントで選手権をリードする勝田範彦、昨年のウイナーであり11.9ポイント差につける奴田原文雄、APRCエントリーで総合優勝を何度も獲得している新井敏弘、地元北海道の鎌田卓麻、選手権3位につけ初優勝を狙う福永修ら9台がエントリー。係数2倍で最大46ポイント獲得も可能なラリー北海道は大逆転の可能性を秘めており、熱いバトルが展開されるだろう。

JN5クラスは北海道初出走となるラリーRR車両が3台エントリー。プジョー208 R2の柳澤宏至、シトロエンDS3 R3-MAXの関根正人に加え、GT86 CS-R3のヘイキ・コバライネンが洞爺に続きステアリングを握る。シリーズランキング2位につけるトヨタ・ヴィッツGRMNターボの大倉聡、MINIの大橋逸夫も虎視眈々と上位を狙う。

上位4台が約25ポイント差にひしめくJN4クラスは、トヨタ86の曽根崇仁と石川昌平、ホンダ・シビック・タイプRの香川秀樹に加え、4WDターボのダイハツ・ブーンX4を駆るベテラン小倉雅俊が参戦。さらにベテラン木村謙治の三菱コルトも加わり、面白い戦いが見られそうだ。

すでに天野智之がチャンピオンを決めたJN3クラスは、トヨタ・ヴィッツRSの天野に対してマツダ車4台が挑む展開。中西昌人と鷲尾俊一のマツダRX-8はどのような走りを見せるか。また、ロングステージに強い唐釜真一郎と南野保のデミオ2台も注目だ。

グラベルラウンドでは今季初成立となるJN2クラスは、ランキングの上位3台が参戦しないなか、ランキング4位の明治慎太郎がエントリー。ここで逆転の狼煙を上げるか。

そして車種バラエティと台数で大きな人気を集めるJN1クラスは、新型マツダ・デミオ15MBを駆る松原久をはじめ、フィットの小川剛、三苫和義や、チャンピオン経験を持つ地元の大ベテラン田中伸幸と坂昭彦、昨年全日本初勝利を飾った阿部敬珠、スズキ・アルトワークスで挑む番場彬ら、ラリーの展開次第ではまだまだ逆転のチャンスが多くの選手に残されている。

ラリー北海道は9月23日(金)に帯広市の北愛国交流広場でのセレモニアルスタートとSS1が無料で観戦可能。24日(土)と25日(日)は陸別、足寄、音更、本別に観戦可能な林道SSを設け、北愛国でセレモニアルフィニッシュを迎える。



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