WRCドイツ・ポスト会見「F1のパドックでラリーファンを増やす」 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCドイツ・ポスト会見「F1のパドックでラリーファンを増やす」

©VOLKSWAGEN/Bodo Kräling

WRCラリードイツのフィニッシュ後に行われたイベントカンファレンスの内容(抜粋)。このドイツでWRCから離れるヨースト・カピート。ラリー仲間に名残惜しい気持ちを明かすとともに、ラリー特有の意識を他のスポーツでも採り入れるべきと強調した。

●WRCポストイベントカンファレンス出席者
1位:セバスチャン・オジエ=SO(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
1位:ジュリアン・イングラシア=JI(フォルクスワーゲン・モータースポーツ)
2位:ダニ・ソルド=DS(ヒュンダイ・モータースポーツ)
2位:マルク・マルティ=MM(ヒュンダイ・モータースポーツ)
3位:ティエリー・ヌービル=TN(ヒュンダイ・モータースポーツ)
3位:ニコラ・ジルソウル=NG(ヒュンダイ・モータースポーツ)
ヨースト・カピート=JC、フォルクスワーゲン・モータースポーツ代表

REDBULL

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Q: セバスチャン、ポディウムの頂点に戻ってきたね。今年、スウェーデン以来の優勝だ。会見の真ん中に座っている気分は。
SO:
いいね、すごくいいよ。この先、いや何週間かは浸っていると思うよ。残念ながらチャイナに行かなくなったので、今の気分を楽しむ時間が十分できた。今季は厳しい時期が続いたことは疑いないし、チームのホームイベント、そしてヨーストの最後のラリーで勝てたんだからね。彼には、有終の美を飾れるように努力すると約束したんだ。ともに過ごした、素晴らしい4年間にふさわしい形になった。

Q:
きみにとっても、そしてもちろんヨーストにとっても特別な勝利だが、エキサイティングなバトルだった。アンドレアス・ミケルセン、ティエリー、ダニ、たくさんのドライバーが絡んでいた。バトルに戻れてよかったのでは。
SO:
その通り。優勝以上にうれしいのは、この3人とバトルができたことだ。とても白熱していたし、とてもタイトだった。バウムホルダーは差がついたが、それ以外は僅差だった。みんなが見たかったラリーでもあったと思う。友人からは「最高のレースだった。これを続けてほしい」というメッセージをたくさん受け取った。

VOLKSWAGEN/Bodo Kräling

VOLKSWAGEN/Bodo Kräling

Q:
ジュリアン、ポルトガルの記者会見で、しばらく勝っていないのでおばあさんがとても残念に思っている、と話していた。これで家に帰って勝てたと言うことができるが、ラリーを終えて今の気分は。
JI:
また、おばあちゃんと話ができるからうれしいよ。この6ヶ月、口をきいてくれなかったからね! 実は、ここで話したいことのリストを作ってあったんだけど、まさかおばあちゃんのことを聞かれるとは思っていなかったよ。まずは、ステファンとギャビンが無事だったことを聞いて、うれしく思う。そして、ノートクルーに感謝したい。本当にタイヤチョイスが難しかった。そしてヤリ‐マティのことも心配だ。きみは見たかどうか知らないが、最後のサービスで僕らはヨーストのプレゼントにケーキを用意したんだ。そしたらヤリ‐マティがリベンジにケーキを彼の顔に押し付けたんだ。でも、かなり乱暴だったから、鼻が折れたかと思ったくらいだ。ヤリ‐マティはクビだって聞いたけど、大丈夫かな! そして、ヨーストに心から感謝したい。この4年間は素晴らしかった。本当は歌でも歌ってあげたいところだけど、止めておいた方がいいと思うから。

Hyundai Motorsport

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Q:
ダニ、最終ステージで0.1秒差で2位に入った。これ以上ないほどの差だ。とても満足しているだろう。タイムを見た時の気分は。
DS:
ちょっと悲しかったよ。ティエリーは速かったからね。いや、正直に言えば、ハッピーだったよ。この週末は、素晴らしいポディウム争いができた。最終的に、いい形で今日をスタートすることができ2位に上がったが、ティエリーとは接戦だった。

Q:
心から全開でドライブしていたか? 完全にフラットアウトだったか。
DS:
ベストを尽くしていたよ。最初は少しロスしていたかもしれない。バンピーだったし、午前からサスペンションにトラブルを抱えていたから、何も壊したくはなかった。

Hyundai Motorsport

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Q:
マルク、コ・ドライバーにとっても忙しいラリーだった。ノートクルーからたくさんの情報が届き、そしてステージに挑む。自分の仕事はどんな感じだったか。ノートクルーとの連携はよかったか。
MM:
もちろんだ。こうした連係を保つことは、とても重要だ。パブロ、ケケという素晴らしいスタッフがいて、長年の知り合いでもある。彼らがいたおかげで、自信を持ってこのラリーに臨めた。

Q:
ステージを走り終えて、最初にタイムを見るのはきみだが、あのタイムを見て、0.1秒差で2位に入ったと気付いた時、どう思ったか。
MM:
もちろん、本当に最高だったよ。3年前のモンテカルロでは、ティエリーとニコラ相手に、0.1秒差で4位を逃した。ラリーを通してダニが安定した走りだったので、とてもうれしい。何のミスもなかったしね。

Hyundai Motorsport

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Q:
ティエリー、ポディウムフィニッシュと素晴らしいリザルトだ。みんながパワーステージを見守っていた。きみも立って、ダニが来るのを見ていた。0.1秒差で2位を逃し、とても残念なのでは。その悔しさはいかほどか。
TN:
たぶん、あの時僕が叫んだ4文字は、みんなも聞こえたと思う。ニコラが僕のところに来て「彼は、このタイム以上の走りはできない。もしそうでなければ、彼は僕らよりも速い」って言ったんだ。そして、彼がラインを超えるのを見ていた。僕らは大丈夫だと思ったが、彼の方が速かった。ただただ、残念だったよ。あのステージでは全力を尽くしたからね。あのステージで3秒をかわすのは、ほぼ不可能だろうと分かっていた。でも、一方で、いい週末になったからいい気分でもある。今回の2位のように、いつも僅差でポディウムを逃していたけど、また争いに絡めるようになったのはいいことだ。

Q:
来季についてジャーナリストが聞いてくるので、集中するのが難しいラリーだったと思うが、そういう時期でもあるし、ドイツ戦が終わった今、それを話してもいいのでは。
TN:
そんなことはない。ヨーストがチームを離れるから、もしかしたら新しいボスが僕を気に入って、シートをオファーしてくれるかもしれないしね。いや、これはジョークだけど。ここまで、僕は自分のレースに専念していた。自分の目標は、昨年の終わりからトラブルが続いたので、またコンペティティブになれることだ。コンペティティブであれば、交渉もしやすいから、今はオファーを待っているよ。

Q:
オファーを待っているということは、他と話をしているということか。
TN:
もちろんだ。マネージャーが活動している。それ以上の情報はないよ。

Hyundai Motorsport

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Q:
二コ、あのステージのフィニッシュでは緊迫していた。2位は逃したが、ポディウムフィニッシュも素晴らしいリザルトだ。
NG:
もちろんだ。とてもポジティブな週末だった。白熱した接戦だった。とても興味深かった。とてもトリッキーなコンディションだったが、僕らはわずかに速すぎることもあった。でも、最後にはポディウムに戻れたので、とてもハッピーだ。

Q:
ノートクルーとの連携という、普段以上の仕事があった。彼らは早起きしてステージに向かい、きみたちに情報を与える。この週末は、うまく機能したか。
NG:
そうだね。それに、ドイツの携帯電話の電波がよくなかったから、よけいに大変だった。とても疲れたが、うまく行った。僕らのノートクルーは、最高の仕事をしてくれたから、感謝しているよ。

VOLKSWAGEN/ Bodo Kräling

VOLKSWAGEN/ Bodo Kräling

Q:
ヨースト、セブはこのドイツで最後となる君に優勝を贈りたかったと言っていた。見事、ポディウムの頂点に戻り、それを果たした。ラリードイツでそれを目の当たりにした気分は。
JC:
まず、約束を果たしてくれたセブとジュリアンに感謝しなくてはならない。本当に素晴らしいプレゼントだ。去年のように、チーム全員のクルーとここに座りたかったが、ここにいる6人は素晴らしいスポーツマン、最高のドライバーとコ・ドライバーだと思う。彼らと一緒にここに座れて、うれしいよ。一方で、ヤリ‐マティがここにいなくてよかったとも思う。彼がいたら、僕は何も残さなかったとか何とか言いそうだからね。ケーキの仕返しだ。
 ラリーの関係者に感謝しなくてはならない。メディア、ジャーナリスト、カメラマン、TVクルー、チームスタッフやドライバー、そして特に世界のファンのみなさんに。この4年間、私たちを支えてくれた。本当に名残惜しいが、私の仕事は終わった。子どもが成長して、家を離れていくように。もちろん、これからも思い続けるが、自分の足で進んでいかなくてはならない。それが今なのだと悟った。2017年のマシンも順調に進んでいるし、成功を収めるマシンになるよう全てを尽くした。素晴らしい経験ができたし、冒険ができた。メディアのみんながいなければ、このような旅にはならなかった。夢が叶った以上のことだ。本当に寂しくなるが、これからもラリーのことは見続けていく。僕にとって、ラリーは最高のモータースポーツだからね。そして、F1のパドックにもラリーファンを増やしていく。約束するよ!

Q:
フォルクワーゲンやフォード在籍中には、WRCに実に多くのことをもたらしてくれた。WRCからF1で活かせることは。
JC:
ラリーはとてもプロフェッショナルだが、楽しくもある。仕事を楽しむことと、プロフェッショナルでいること、成功を収めることは同時には成立しないと信じている人がたくさんいるが、ラリーにおいて私たちは、仕事を楽しむことでより成功につながることを示したと思う。英国では、「仕事に勤しみ、思い切り遊べ」と言うのだが、これはF1にも言えることだと思う。ラリーのコミュニティはとても独特だし素晴らしいので、どのスポーツもラリーから見習っていいと思う。



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