ERCアクロポリス:R5で初参戦の新鋭サーマキスが金星 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ERCアクロポリス:R5で初参戦の新鋭サーマキスが金星

©ERC / Gregory Lenormand / DPPI

ERC第3戦アクロポリスラリーは5月8日、レグ2に設定された6SSの走行が行われ、ラトビア出身の若手、ラルフ・サーマキス(シュコダ・ファビアR5)が優勝を飾った。21歳のサーマキスは、R5マシンでの参戦は今回が初めて。シュコダ・バルチック・モータースポーツがサポートする若手が、大金星を挙げた。

ERC /  Jorge Cunha / DPPI

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前日はアレクセイ・ルキヤナク(フォード・フィエスタR5)に2秒差の2番手につけたサーマキスだったが、この日最初のSSでルキヤナクがパンクに見舞われ、ここで首位に浮上。さらにルキヤナクはイベント最長の33.86kmを誇るSS9でサスペンションアームを破損し、修復のために17分の大量ロスを喫してしまう。これで2番手との差を1分以上に開いたサーマキスは、残る3SSを冷静に走り、最終的に2分10秒3までリードを広げてのERC初優勝を飾った。

各戦で印象的な活躍を見せたドライバーに贈られるコリン・マクレー・フラットアウトトロフィーも、今回は文句なしにサーマキスが受賞した。
「デビュー戦で勝つことができたのだから、とてもよかった。世界でも指折りの難関ラリーなので、本当にうれしい」とサーマキス。この日は、コ・ドライバーのアルタルス・サイミンスが26歳の誕生日を迎え、祝福に華を添えた。

ERC / Gregory Lenormand / DPPI

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そのサーマキス快走の後方では2番手争いが激化。この日序盤は、ランブロス・アタナソーラスがヤロミール・タラバスとの差を19.5秒から35秒に広げると、ルキヤナクがトラブルで後退した時点で2番手に浮上。しかし、最終SSでは低速の先行車に阻まれて大幅にタイムロスを喫し、ステージフィニッシュでは悔しさに涙もにじませた。ところが、その後、アタナソーラスの状況を鑑みて32秒の免除が認められ、最終的に2位でフィニッシュを飾った。

ERC / Jorge Cunha / DPPI

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またタラバスも、目標としていたERCポディウムフィニッシュを果たした。表彰台獲得は2013年以来となる。4位にはサーキマスのチームメイト、ラウル・ジーツが入り、上位4台をシュコダ・ファビアR5が独占し、カーブレーカーとして知られるラフグラベルイベントでマシンの強靭さを発揮した。

ルキヤナクは最終的に10位でフィニッシュ。前日、転倒で大量タイムロスを喫していたカエタン・カエタノビッチ(フィエスタR5)はこの日6SS中、5SSでベストタイムをたたき出すなど猛烈な追い上げを見せ、前日の総合22番手から8位でのフィニッシュを果たし、選手権争いでも首位の座を維持した。

ERC /  Jorge Cunha / DPPI

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ERC2は、スバル・ポーランド・ラリーチームのボイチェフ・シュカーラ(スバルWRX STI)が前日からのリードを守ってクラス優勝。総合でも5位に食い込んだ。シュカーラは今季のERC2部門ここまで3連勝を挙げている。

ERC /  Jorge Cunha / DPPI

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ERC3も、ムラ・ボスタンキ(フォード・フィエスタR2T)が前日の部門首位の座を維持してフィニッシュを果たし、ERC3初優勝。ボスタンキは、ERC3の選手権争いでも2位に浮上した。

ERC次戦、第4戦アゾレスラリー(グラベル)は6月2〜4日、ポルトガル領アゾレス諸島のサンミゲル島で開催される。

ERCアクロポリスラリー 最終結果
1 R.サーマキス(シュコダ・ファビアR5) 2:53:12.5
2 L.アタナソーラス(シュコダ・ファビアR5) +2:10.13
3 J.タラバス(シュコダ・ファビアR5) +2:42.4
4 R.ジーツ(シュコダ・ファビアR5) +5:41.9
5 W.シュカーラ(スバルWRX STI) +8:19.9
6 J.コルタン(フォード・フィエスタR5) +9:11.1
7 T.カスペルチェック(フォード・フィエスタR5) +10:40.4
8 K.カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5) +13:58.1
9 J‐L.ジャック・リオ(三菱ランサーエボリューションX) +20:09.6
10 A.ルキヤナク(フォード・フィエスタR5) +20:15.5



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