全日本ラリー高山:初日のステージを新井敏弘が快走 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

全日本ラリー高山:初日のステージを新井敏弘が快走

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全日本ラリー選手権第8戦「第43回M.C.S.Cラリーハイランドマスターズ」は10月17日(土)にデイ1の走行が行われ、初日に設定された6本のSS中5本のSSでベストタイムを重ねた新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)が首位で折り返した。

高く澄み渡った秋空のもとで行われたデイ1は、サービスを挟み3本の林道を2回ずつ走行する6SS(SS総距離42.22km)が設定された。SS1/4の「駄吉上り」は、山を一気に駆け上がるヒルクライム、ターマックになってからは初採用となるSS2/5「青屋下り」は山を一気に下るダウンヒル、ギャラリーステージが設定されたSS3/6はゆるやかなアップダウンコースとそれぞれキャラクターが異なるが、いずれもタイトなコーナーが連続するテクニカルステージだ。

SS1で優勝候補の福永修/鈴木裕(三菱ランサーエボリューションⅩ)がコースアウトという波乱の展開となったが、第7戦「ラリー北海道」でJN6クラスのチャンピオンを確定させた新井がSS1からSS3までベストタイムを連取。リピートステージのSS4、SS5でもベストタイムを重ね、トップを快走した。デイ2のステージを考慮してタイヤの使用本数を4本に抑えた新井は、SS6で「さすがにタイヤ摩耗が厳しかった」とベストタイムを3位の奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューションⅩ)に奪われるものの、2位で終えた勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)に対し11.4秒の差を付け、トップの座を一度も譲ることなく初日を折り返した。

一方、昨年はすべてのSSでベストタイムを刻み完全勝利を遂げた勝田は、ツイスティなステージにマシンセッティングが合わず苦戦。SS3はロアアームを曲げタイムが伸びない奴田原を捉え2位に浮上するものの、新井の独走を許してしまった。勝田は初日最初のサービスでスタビライザーを交換、最終サービスではサスペンションスプリングを交換し、2日目の巻き返しを図る。

JN5クラスは、このラリーでシリーズ2位の関根正人/竹下紀子(三菱ミラージュ)が4位以下となり、眞貝知志/漆戸あゆみ(アバルト500R3T)が優勝を逃した場合、天野智之/井上裕紀子(トヨタ・ヴィッツGRMNターボ)が2位以上でチャンピオン確定となる。その天野だが、「ブレーキとパワーステアリングのフィーリングが変化してしまう」という症状を訴え、初日トップを上原利宏/佐瀬拓野(ホンダ・シビックtypeR)に奪われてしまう。さらに、SS5では僅差の勝負と繰り返していた寺島信也/関根慎二の逆転を許し、初日を3位で折り返した。一方、関根はSS4で電動ファンにトラブルが生じオーバーヒート状態となり5位。眞貝はSS2でブレーキにトラブルを抱えデイリタイアとなっている。また、山口清司/山本磨美(トヨタ86)が天野と同タイムで3位に付け、2日目に上位進出を狙う。

JN4クラスは、横尾芳則/渡邊晴子(トヨタ86)、シリーズランキング2位の番場彬/加勢直毅(トヨタ86)、シリーズランキングトップの石川昌平/石川恭啓(スバルBRZ)による三つ巴の戦いとなった。0.1秒を争う展開が続くなか、3本のSSを奪った横尾がトップ、2ループ目からペースを上げてきた番場が1.3秒差の2位、SS6で土手にヒットしてタイムを落とした石川がトップから4.5秒差の3位という僅差の勝負となった。

JN3クラスは、第7戦「ラリー北海道」で自身初となるチャンピオンを確定した岡田孝一/鶴田邦彦(マツダ・デミオ)がこのラリーでも快走をみせ、2位の島田章/内藤雄樹(マツダ・デミオ)に30秒以上の差を付け、デイ1を折り返している。

JN2クラスは、シリーズ4位の鈴木尚/山岸典将(スズキ・スイフトスポーツ)が、ポイントリーダーの高橋悟志/箕作裕子(トヨタ・ヴィッツRS)に1分以上の大差を付ける激走をみせ、初日トップの座を奪った。一方、高橋もチャンピオン確定に向け2位で初日を折り返すが、中井育真/佐土原慶一(マツダ・デミオ)が12.7秒差の3位につけている。

10月18日(日)に行われるデイ2は、デイ1で使用していない新たな林道3カ所に計6本のSS(45.62km)が用意されている。アップダウンこそ少なくなるが、デイ1と同じくツイスティでテクニカルなステージが多い。まだチャンピオンが決まっていないJN5、JN4、JN2の3クラスでタイトルが決定するのか、目が離せない展開となりそうだ。デイ2オープニングとなるSS7は8時13分、最終SSのSS12は11時43分に1号車がスタートする予定。

■デイ1終了時の順位
JN6クラス
1.新井敏弘/田中直哉 富士スバルアライモータースポーツWRX 32:21.5
2.勝田範彦/石田裕一 ラックSTI名古屋スバルDL WRX +11.4
3.奴田原文雄/佐藤忠宜 ADVAN-PIAAランサー +15.3
4.今井 聡/北川紗衣 IMMENS ランサー +41.7
5.炭山裕矢/保井隆宏 ADVAN CUSCO WRX-STI +1:18.5
6.生田輝明/馬瀬耕平 NET☆DLDXLガルフMWインプレッサ +1:47.0

JN5クラス
1.上原利宏/佐瀬拓野 BF-ACTION・DLシビック 34:25.7
2.寺島信也/関根慎二 シロキヤ・DL・インテグラR + 13.4
3.天野智之/井上裕紀子 豊田自動織機・ラックDLヴィッツGRMN +20.7
=.山口清司/山本磨美 jmsADVANエナペタル久與86 +20.7
5.関根正人/竹下紀子 GセキネンDLWMMOTULミラージュ +46.9
6.折登文洋/中里守利 ADVAN・リジット・RTWインテグラ +1:09.5

JN4クラス
1.横尾芳則/渡邉晴子 諏訪姫PLUMレーシングBS86 2:24.0
2.番場 彬/加勢直毅 ADVAN Gd 高崎くす子 86 +1.3
3.石川昌平/石川恭啓 ARTAオートバックスBRZ +4.5

JN3クラス
1.岡田孝一/鶴田邦彦 キーストーンナビゲーターDLデミオ 36:27.9
2.島田 章/内藤雄樹 テイクスDLワコーズデミオ +33.4
3.藤田幸弘/藤田彩子 ADVAN BRIG エムスポーツデミオ +1:31.6

JN2クラス
1.鈴木 尚/山岸典将 スマッシュDLitzzコマツスイフト 36:16.8
2.高橋悟志/箕作裕子 ミツバWMDLラックマジカル冷機ヴィッツ +1:02.4
3.中井育真/佐土原慶一 デューポイント・DL・フィルインSデミオ +1:15.1



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