ERCエストニア、ランサーのルキヤナクがR5マシンを振り切りERC初優勝 – RALLYPLUS.NET ラリープラス

ERCエストニア、ランサーのルキヤナクがR5マシンを振り切りERC初優勝

 

ERC第6戦ラリーエストニア(グラベル)は7月19日、競技最終日の走行が行われ、超高速ラリーでレグ1を首位で折り返した三菱ランサーエボリューションXのアレクセイ・ルキヤナクが、2.4秒差の2位で追うカエタン・カエタノビッチ(フォード・フィエスタR5)からどこまで逃げ切れるかに注目が集まっていた。

この日設定されたのは6SS・計63.82km。最初のSS11(13.32km)ではカエタノヴィッチがベストタイムをマークして0.3秒詰めるものの、続くSS12(7.11km)、SS13(11.48km)ではルキヤナクが連続ベストを叩き出して、カエタノヴィッチを12.0秒差までに突き放す激走を見せた。

残り3SSではルキヤナクもギャップをにらみながら、ポジションコントロールに入り、カエタノヴィッチもSS14を終えたところで選手権ライバルのクレイグ・ブリーン(プジョー208T16)がリタイアとなったため、堅実に2位獲得を手にした。3位にも三菱ランサーエボリューションIXのライナー・オースが入り、グループN勢がポディウムの2つを占める結果となった。

「本当に信じられない気分だよ」とルキヤナク。「最後の瞬間まで、優勝したいなんて考えていなかった。最後のコーナーでは転倒しそうになったよ。かなりしばらく2輪のままで立っていたからね! カエト(カエタノヴィッチ)とのバトルは、ものすごかった。フィニッシュ目前でのクレイグのリタイアはとても残念だった。僕は、最高の仕事をしてくれた自分のチームに感謝の気持ちでいっぱいだよ」

カエタノヴィッチは、イベントで最も豪快な走りを見せたドライバーに贈られるコリン・マクレー・フラットアウト・トロフィーも受賞した。

カエタノヴィッチが2位に入りブリーンがリタイアしたことで、カエタノヴィッチは選手権首位に浮上した。

そのブリーンは、レグ1、一時9位にまで落ち込んでいたが、4位まで挽回。この日はポディウムを目指して猛アタックを続けていたが、ソフトな路面に苦戦。それでもSS14では3位オースまでの差を3.0秒に詰めていたが、このステージでオイルプレッシャーが下がり始めておりSSフィニッシュでリタイアを決めた。

グループN勢が威力を発揮できた超高速戦は、最終リザルトでもトップ9に5台のグループNマシンが食い込んだ。そのグループN車両が対象となるERC2はルキヤナク、オースに続き、シーム・プランギ(三菱ランサーエボリューションX)が入り、三菱勢がポディウムを独占した。

ERC3、ERCジュニアは、ラトビアの21歳、ラルフ・シルマキス(プジョー208 VTI R2)が初日からの首位を守って、ERCジュニア初優勝。同イベント3回目の挑戦となるシルマキスは、SS8でジャンプの後、着地で強打してエンジントラブルが起きていたが、スポーツ・レーシング・テクノロジーが奮闘し首位を守り切った。チームメイトのベイジリー・グライジンは、イベント前のテストでの移動中、車線をはみ出した車両と正面衝突。重症を負って入院というショックを乗り越えての優勝だった。

シルマキスはERCジュニア選手権でも2位に浮上。選手権リーダーのエミル・ベルクビスト(オペル・アダムR2)は今イベント2位となったが、選手権ライバルのクリス・イングラム(プジョー208 VTI R2)がリタイアとなったことから、ERCジュニアタイトル獲得が確定した。スウェーデン出身のベルクビストは、ADACオペル・ジュニアチームから参戦している。

ERCラリーエストニア最終リザルト
1 A. LUKYANUK(三菱ランサーエボリューションX) 1:32:25.4
2 K. KAJETANOWICZ(フォード・フィエスタR5) +12.7
3 R. AUS(三菱ランサーエボリューションIX) +1:07.0
4 S. PLANGI(三菱ランサーエボリューションX) +2:06.9
5 T. KORGE(プジョー208 T16)++2:23.7
6 R. JEETS (フォード・フィエスタR5) ++3:36.2
7 D. BUTVILAS (スバル・インプレッサWRX STI) +4:51.4
8 J. KOLTUN (フォード・フィエスタR5) +5:20.8
9 D.BOTKA(三菱ランサーエボリューションIX) +7:36.1
10 R.SIRMACIS (プジョー208 VTI R2)+8:01.6



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