WRCスウェーデン:事前情報 シーズン唯一のフルスノーラリー – RALLYPLUS.NET ラリープラス

WRCスウェーデン:事前情報 シーズン唯一のフルスノーラリー

 

■プレビュー
FIA世界ラリー選手権の第2戦はカレンダー屈指の高速イベントで、最もスペクタクル。スウェーデンとノルウェーの、雪が積もる林道が舞台となる。美しい景観とは裏腹に、氷点下の気温においては人間にもマシンにも相応の対策が求められる。特にマシンに関しては、グリップを得るためにタングステン鋼のスタッドで凍った路面に食いつく特殊タイヤを履くことになる。クルーは、保温性のあるレーシングブーツと、周辺一帯が雪に覆われた中を駆け抜けるには不可欠な偏光ガラスのサングラスを身に付ける。

エントリーリストには、フルスペックのWRカーが17台並ぶ。併催のWRC2にはスウェーデン勢が多数ノミネート。一方で、WRC3にエントリーするスウェーデン人は、シトロエンDS3 R3-MAXを駆る若手オーレ・クリスチャン・ベイブイのみ。

SS1、14、21(パワーステージ)はテレビ中継が行われる。

■2015年ルート
ルート全体の3分の1は2014年から変更され、使用する11本のステージのうち4本は新設または修正されている。イベントの開幕を務めるのは、おなじみカールスタッドでのスーパーSS。木曜日の夜に走行した後、金曜日のステージはすべて修正されており、そのほとんどは隣国ノルウェーに設定される。イベント最長となる土曜日は、スウェーデン伝統のステージが多い。日曜日に使用されるステージは2本のみ。最終ステージとなるバームルザイセン・2回目の走行が、パワーステージに指定されている。

■ラリーデータ
開催日:2015年2月12-15日
本拠地:カールスタッド
時差:UTC+1
総走行距離: 1441.57km
総ステージ走行距離:308.00km (SS比率21.4%)
総SS数:21

■開催選手権
WRC
WRC2
WRC3

■主なマシンスペック
・ルーズ路面用の仕様だが、厳しい寒さの中でパフォーマンスがピークに達するようなエンジンワークが求められる。
・タイヤには380本のタングステン鋼スタッドが埋められ、凍った道をかんでいく。1本のスタッドの長さは20mmで重さは4g。しかし、表面に出るのは7mmだけで、残り13mmは強く支えるためにラバーの中に埋め込まれている。
・コースオフした際、雪から脱出するために、ショベルも必需品。

■歴史
・初開催は1950年。当時は夏に開催されたため「白夜の太陽に向かうラリー(the Rally to Midnight Sun)」と呼ばれた。ウィンターラリーとなったのは1965年。
・WRC創立の1973年のカレンダーにも組み込まれ、以来、北欧勢が優勝を独占してきたが、その伝統を2004年に破ったのはセバスチャン・ローブ。北欧勢でスウェーデンを制したのは、他にセバスチャン・オジエしかいない。最多優勝記録は、スティグ・ブロンクビスト、マーカス・グロンホルムの5勝。

■見どころ
土曜日に設定されるバーガセンのコリンズ・クレスト。故コリン・マクレーにちなみ、ジャンプスポットでの最長飛距離をマークしたドライバーへの賞典が設定されている。現在の最長記録は、ケン・ブロック、マリウス・アーセンがマークした37m。



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